皆さんこんにちは今日はCPUクーラーについて書こうと思います!
CPUクーラーは、パソコンのCPU(中央処理ユニット)を冷却するための部品です。CPUは、パソコンの頭脳として様々な処理を行いますが、その際に非常に多くの熱を発生させます。この熱を適切に冷却しないと、CPUの動作が不安定になったり、性能が低下したり、最悪の場合故障の原因になったりします。
CPUクーラーは、CPUから発生する熱を効率的に吸収し、外部に放出する役割を担っています。
CPUクーラーの主な役割
- CPUの冷却: 最も重要な役割です。CPUの温度を安全な範囲内に保ち、安定した動作を維持します。
- 熱暴走の防止: CPUが高温になりすぎると、システムが不安定になったり、強制的にシャットダウンしたりする「熱暴走」を防ぎます。
- パフォーマンスの維持: CPUは高温になると、自身を保護するために動作周波数を下げることがあります(サーマルスロットリング)。適切な冷却により、CPUの性能を最大限に引き出します。
- パーツの寿命延長: 高温はCPUだけでなく、マザーボードなど周辺のパーツの寿命を縮める可能性があります。CPUクーラーは、PC全体の温度管理にも貢献します。
CPUクーラーの種類
大きく分けて空冷式と水冷式の2種類があります。
1. 空冷式CPUクーラー
- 仕組み: CPUに直接金属製のヒートシンクを取り付け、ヒートシンクに冷却ファンで風を当てることで冷却します。ヒートシンクは、CPUの熱を広い表面積に効率よく伝える役割があります。
- 特徴:
- 構造がシンプル: 比較的安価で、取り付けも簡単なものが多いです。
- メンテナンスが容易: ファンにホコリが溜まった際に清掃する程度で済みます。
- 種類が豊富: サイズや形状、冷却性能など、様々な製品があります。
- 主なタイプ:
- トップフロー型: CPUの上から下に向けて風を送るタイプ。CPUだけでなく、マザーボード周辺の部品も冷却する効果があります。比較的コンパクトな製品が多いです。
- サイドフロー型: ヒートシンクが横に伸びており、横からファンで風を当てるタイプ。大型のヒートシンクとファンを搭載しやすく、高い冷却性能を持つ製品が多いです。PCケース内のエアフローを考慮した設計になっています。
2. 水冷式CPUクーラー
- 仕組み: CPUの熱を冷却水に伝え、その冷却水をラジエーターに循環させて放熱する仕組みです。ラジエーターにはファンが取り付けられており、冷却水を冷やします。
- 特徴:
- 高い冷却性能: 空冷式よりも効率的に熱を移動させることができるため、一般的に高い冷却性能を発揮します。
- 静音性が高い: 大型ファンを低回転で動作させることができるため、静音性に優れる製品が多いです。
- デザイン性が高い: チューブや冷却液、ポンプなどにLEDが搭載されているモデルもあり、見た目を重視するユーザーにも人気です。
- 主なタイプ:
- 簡易水冷: ポンプ、チューブ、ラジエーターなどが一体になった製品で、購入後すぐに取り付けられます。メンテナンスもほとんど不要です。
- 本格水冷: 各パーツ(ポンプ、リザーバータンク、チューブ、フィッティング、ラジエーター、水冷ヘッドなど)を自分で選び、組み立てるタイプです。冷却性能を極限まで追求でき、自由なカスタマイズが可能です。ただし、専門知識が必要で、導入コストやメンテナンスの手間もかかります。
CPUクーラーを選ぶ際のポイント
- CPUのTDP(熱設計電力): CPUが発する最大熱量を表す指標です。CPUクーラーは、使用するCPUのTDPに対応した冷却性能を持つものを選ぶ必要があります。
- 対応CPUソケット: マザーボードのCPUソケットの規格(LGA1700、Socket AM5など)に対応しているか確認が必要です。
- PCケースのスペース: CPUクーラーのサイズ(高さ、奥行きなど)がPCケースに収まるか確認が必要です。特にサイドフロー型や大型の水冷ラジエーターは注意が必要です。
- 静音性: ファンの回転数や口径、ベアリングの種類などによって動作音が異なります。静音性を重視する場合は、低騒音を謳う製品や、ファンコントロール機能がある製品を選ぶと良いでしょう。
- 予算: 空冷式は比較的安価ですが、水冷式は高価になる傾向があります。
- デザイン: LEDライティングなど、見た目を重視する場合は、デザイン性の高い製品を選ぶのも良いでしょう。
おすすめのCPUクーラーは、あなたのCPUの種類、用途(ゲーム、クリエイティブ作業、静音性重視など)、予算、そしてPCケースのスペースによって大きく異なります。
現在お使いのCPUのソケットタイプ(例:LGA1700、Socket AM5)が分かれば、より具体的な製品をおすすめできます。
ここでは、一般的な用途と人気のあるCPUクーラーのシリーズ、選ぶ際のポイントをご紹介します。
CPUクーラーを選ぶ際のポイント(再掲)
- CPUのTDP(熱設計電力): 使用するCPUの発熱量に対応した冷却性能を持つクーラーを選びましょう。
- 対応CPUソケット: マザーボードのCPUソケット規格に適合しているか確認が必要です。
- PCケースのスペース: クーラーのサイズ(高さ、奥行きなど)がPCケースに収まるか確認しましょう。特に大型の空冷クーラーや水冷ラジエーターは注意が必要です。
- 静音性: ファンの動作音が気になる場合は、静音性に優れたモデルを選びましょう。
- 予算: 空冷式と水冷式で価格帯が大きく異なります。
- デザイン: LEDライティングなど、見た目を重視する場合は、デザイン性の高い製品も検討しましょう。
一般的なおすすめCPUクーラー
1. 空冷式CPUクーラー
- 静音性・コストパフォーマンス重視:
- Noctua (ノクチュア): NH-U12S redux, NH-U12A など – 非常に静かで冷却性能も高いです。価格はやや高めですが、品質と性能を求める方におすすめです。
- be quiet! (ビークワイエット): Dark Rock 4, Pure Rock 2 FX など – 静音性に優れ、冷却性能も十分です。
- Scythe (サイズ): 虎徹 Mark III, 忍者 6 など – コストパフォーマンスに優れ、扱いやすい製品が多いです。
- ハイエンドCPU向け・冷却性能重視:
- Noctua (ノクチュア): NH-D15 – 空冷式トップクラスの冷却性能を誇ります。大型のため、PCケースのスペースに注意が必要です。
- be quiet! (ビークワイエット): Dark Rock Pro 5 – 高い冷却性能と静音性を両立しています。
- Deepcool (ディープクール): Assassin IV – 優れた冷却性能とデザインが特徴です。
- 小型PC向け:
- Noctua (ノクチュア): NH-L9i (Intel), NH-L9a-AM4/AM5 (AMD) など – 背が低く、小型ケースにも収まりやすいです。冷却性能はTDPが低いCPU向けです。
- Scythe (サイズ): 手裏剣 3 – コンパクトながら比較的高い冷却性能を持ちます。
2. 水冷式CPUクーラー(簡易水冷)
- 冷却性能と静音性のバランス重視:
- Corsair (コルセア): iCUE H100i ELITE CAPELLIX XT, iCUE H150i ELITE LCD など – 冷却性能、静音性、デザイン性に優れ、ソフトウェアによる制御も可能です。
- NZXT (エヌゼット): Kraken Xシリーズ, Kraken Zシリーズ (LCDディスプレイ搭載) など – シンプルでスタイリッシュなデザインと高い冷却性能が特徴です。
- Fractal Design (フラクタルデザイン): Lumenシリーズ – 洗練されたデザインと静音性が魅力です。
- ハイエンドCPU向け・冷却性能重視:
- Corsair (コルセア): iCUE H170i ELITE LCD – 大型ラジエーターで非常に高い冷却性能を発揮します。
- NZXT (エヌゼット): Kraken Eliteシリーズ – 大型ラジエーターとLCDディスプレイで、冷却性能と視覚的なカスタマイズ性に優れます。
- Lian Li (リアンリー): Galahad II LCD – LCDディスプレイ搭載で、冷却性能も高いです。
- コストパフォーマンス重視:
- Cooler Master (クーラーマスター): MasterLiquid Liteシリーズ, MasterLiquid MLシリーズ – 比較的安価に入手できる簡易水冷クーラーです。
おすすめの選び方
- 使用しているCPUのソケットタイプとTDPを確認する。
- PCケースのCPUクーラーの高さ制限を確認する。
- 用途(ゲーム、動画編集など高負荷な作業をするか、静かに使いたいかなど)を考慮する。
- 予算を決める。
- 上記の情報を元に、候補となるCPUクーラーのレビューや評価を調べる。